パチンコ業界へのオタク文化の流入について 〜前編〜

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最近、ヲタ向けっぽいパチンコ・スロットが増えてきました。
ヲタかつ一応業界人であるところの私は嬉しいばかりなんですが、なんでもかんでもパチンコにすりゃあいいってもんじゃねぇんだぞ!ということで、現状を軽くまとめてみたいと思います。


業界事情を多少知らないとちょっとアレな話になるかもしれませんが、パチンコ好きな人はぜひ読んでいってください。





パチンコといえば海!海物語!
そんなふうに考えていた時期が俺にもありました
すでに海の時代は終焉に向かっています。ともすればもう終わっちゃってるのかも?


私が今の会社(パチンコ店)に入社したのが約5年前。その頃はパチンコ台数の約半分が海でした。
ホール側も海を好んで使ったし、客側も海を好んで打った。そんなある意味異常な状態で需要と供給が釣り合っていたヘンな時代でした。
ですが、やはり独裁政権は長くは続かないもの。ホールからだんだんと海の比率が低くなってきました。
シンプルなゲーム性で誰にでも楽しめる海。誰にでも楽しめる分、それ以上の楽しみは無かったのかもしれません。
メーカー側も強気な販売姿勢が仇になって販売数を伸ばしきれていないのが現状です。


時代の流れ、と一言で言ってしまうのは乱暴かもしれませんが、つまりはそういうことだったのでしょう。




現在のホール状況はまさに群雄割拠。多くのメーカーが知恵を絞ってシェアを奪い合っています。
遊技客側からしてみればこれはいい流れです。ただ面白い台を探して打っていても、いままでよりも凝った・洗練された台を打てることになりますから。
その群雄割拠の時代の中で頭角を現してきたのが京楽三共です。
どちらも新規参入ではなく老舗メーカーなんですが、今まではどうやっても海の牙城を切り崩せないでいました。
前者の京楽は「冬のソナタ」や「必殺仕事人」などの強力タイアップ機でホールのシェアをグングン伸ばしていっています。
後者の三共は「大ヤマト」や自社のイメージキャラの「ムムちゃん」を使った遊技台でジワジワと伸びてきています。
そしてパチンコの時代を揺るがした名作「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズがオタク文化流入のきっかけになりました。
「突然確変」を初めて搭載するなど、ただのアニメタイアップに終わらず業界の根本から変えてしまったような名機が登場したのです。





先ほども述べたとおり、この名機「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズがオタク文化流入のきっかけになったのでは、と私は思っています。
エヴァシリーズが出る前にもアニメタイアップ機はちょこちょこありました。北斗の拳キン肉マンなど、万人向けのタイトルが多かったと思います。
ですが、エヴァは違った。明らかにヲタ向けですからね。知ってる人は知ってるけど知らない人はぜんぜん知らない。そんなタイトルがパチンコに向いているとは正直思えませんでした。
ですがこのエヴァ、私の予想に反して売れに売れました。そして客もつきました。メチャメチャ動きました。いまや4まで発売される勢い。
風刺がききまくりで有名な「さよなら絶望先生」でも触れられていたように、パチンコでエヴァを知ってアニメを見るという、本来ならば逆の流れをも生み出しました。





メーカー側がどう思っているかまで走りませんが、エヴァでOKならこれもアリだろうというような勢いでヲタ向けの機械がたくさん発売されました。
最近だとサクラ大戦ギャラクシーエンジェル、タルるーとくんなんてのも出てますね。創聖のアクエリオンなんかは例のアレなTVCMで全国的に有名になってしまいました。これらを全部あげると大変なことになりそうなのでこのへんで自重します。
あとは、タイアップではなくメーカーオリジナルのヲタ向けパチンコとして、「戦国乙女」や、スロットでは「怪盗天使ツインエンジェル」なんてのも出てます。





ここで最初の話に戻ります。群雄割拠の今の時代をメーカーが生き抜くには少しでも売れる要素のあるモノを使うしかない状態にあるのでしょう。
遊技台としての性能は別として、GAの台が出ればGAヲタは打つし、戦国乙女が出れば声優ヲタは打つんです。そんなもんです。というか、そんなもんでしょう?
そうやって売れる要素を含んだ遊技台をメーカーが発売し、ホールは動く要素を含んだ遊技台を購入する。そして発売されたら打つであろう客もそれに伴って増える。妙な循環ですが間違ってはいないんでしょう。





長くなりそうなので明日に続きます。