ゼーガペインについての雑感  キョウ覚醒編

ゼーガペイン FILE.01 [DVD]

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ゼーガペインの文章を書くにあたり、2クールの、しかも放送中のアニメだということを考慮し、「キョウ覚醒編」「キョウ成長編」「カミナギ編」「それ以降」の4つに分けて書いていこうと思う。なお、この4つの分け方は私が勝手に書きやすいように分けたものなので気にしないでほしい。





今回は最初の「キョウ覚醒編」。話数でいくと、1話の「エンタングル」から6話の「幻体」まで。





正直、放送開始というか、4話「上海サーバー」あたりまでは面白くなかった。
私はもともと小難しいアニメは嫌いだし、ロボットアニメ好きでもない。そんな私に伏線バリバリの展開や妙なロボットの戦闘シーン(今でもあまりゼーガをカッコイイとは思わない。それならエステバリスのほうがカッコイイと思う。)、萌えには微妙に届かないキャラ群等々・・・視聴打ち切り要素満載の初期(1〜4話)は満足のいくものではなかった。ただ前クールまで視聴していた「舞-乙HiME」の流れ・サンライズつながりということで「きっと面白くなる・・・!!」という期待感だけで視聴を続けていた。



首をかしげながらも視聴を続けていた甲斐あって、5話「デジャビュ」から怒涛の展開が開始された。
いままで主人公ソゴル・キョウの生きてきた世界は現実ではない、本当の世界はロボットに乗って戦うこっちの世界なのよ、というトンデモかつありがちな展開が、4話までのわからないことを前提にした説明のおかげですんなりと受け入れられていった。
「起承転結」の最初の「転」にあたるであろう5・6話。この2話60分弱で世界観の説明をしてしまうと、説明しきれないか中途半端なものになるかのどちらかになってしまうだろう。
この、あえて前半を潰してでも説明・導入に費やすという手法が、一見難解な「ゼーガペイン」に世界に我々をのめりこませるのに一役買っているだろう。



そして特筆すべきは6話「幻体」のデキ。各所で評判を調べると、「6話で化けた」という意見が多いのもうなづける。
いままで思っていた「いつも暮らしている世界は作り物なのか」という疑問の答えが出る回なのだが、演出が、特にラストが非常にすばらしい。
カミナギの制止を振り切り作り物の世界なのかどうかを確かめようとするキョウ。しかし、キョウたちの暮らす舞浜の次の駅はなく、トンネルを抜けるとそこはまた舞浜・・・そんなループをしているといつのまにか座席にシズノが。シズノの告白とキョウの受け入れられないという想い。それをようやく理解しつつある我々視聴者を煽るかのようにEDテーマがかぶさってきて・・・辛抱たまりません。



このストーリー展開も、やはりキャラの設定なくしてはありえないもの。
主人公であるソゴル・キョウが純粋で、それでいて頑固で、自分の置かれている状況が頭では理解できているのに事実を受け入れるのを拒否する。だからこそ受け入れたときの印象は大きい。
そして、以前はキョウと恋仲にあったと思われるミサキ・シズノ。彼女の無機的な、しかしキョウに対するとややウエットになるという設定があってこその6話ラストシーン。それまでは何があっても動じない虚無系のキャラクターなのかと思わせておきながら、舞浜をループする電車の中でキョウに対してあれだけ感情をむき出しにする。これもやはり普段の彼女とのギャップがあってこそ。
他にもキャラクターは登場しているが、何か書くべきだとすればメイウーの中の人の演技が微妙、ということぐらいだろうか。



各所でも評価の高かった6話ラスト。その勢いを殺すことなく7話からはキョウが自分の置かれた状況と葛藤しながら一人前のセレブラントへと成長していく。



7話からの雑記はまた後日・・・。



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